住まいの外壁は、風雨や紫外線にさらされ続けることで、少しずつ劣化していきます。そのため、定期的な外壁塗装が必要ですが、その費用は大きな負担となることがあります。そんな時、火災保険を活用することで、外壁塗装の費用を抑えることができるのをご存じでしょうか?本記事では、火災保険を利用して外壁塗装を行う方法と、そのメリットについて詳しく解説します。
火災保険とは、建物や家財を対象に、以下の自然災害による被害に遭った時に補償してくれる損害保険の一つです。
・火災
・落雷・破裂
・爆発
・台風などを初めとする風災
・雹災
・雪災
火災保険は上記のように火災だけに留まらず、自然災害や偶発的な事故による損害もカバーしています。台風や大雨による水害、雹による損害、落雷、さらには盗難や破損による損害も含まれる場合があり、契約内容によっては幅広いリスクに対する備えが可能です。
●住宅用の火災保険は主に5種類
①住宅火災保険
火災・水災・落雷・風災・雹災など、基本的な自然災害が補償対象になっているオーソドックスな火災保険で、外壁塗装工事で使われることもあります。
②住宅総合保険
住宅総合保険は住宅火災保険ではカバーされない損害についても補償ができるタイプです。水害や雨漏り、人災による破損、盗難などにも対応しています。こちらも同様に外壁塗装工事で使われることがあります。
③オールリスクタイプ(補償範囲の広い新しいタイプの保険)
オールリスクタイプは住宅創造保険よりもさらに補償の範囲が広かったり、損害箇所の修理費用の実費が補償されたりします。
④団地保険
補償できる範囲については、住宅総合保険と似ている部分が多いですが、[借家賠償責任保険]・[個人賠償責任保険]など戸建て住宅にはない補償内容がある場合が多いです。
⑤店舗総合保険
店舗と住宅を兼ねている場合、住宅ではない店舗の部分は住宅保険では補償されません。店舗部分まで補償してもらいたい場合は、「店舗総合保険」という事業者向けの火災保険に加入する必要があります。事業者向けの補償内容になっているため、業務用什器や備品の補償が可能です。
外壁塗装に火災保険を使うためには、以下の条件を満たす必要があります。
・災害による破損であること
・災害による被害を補償する火災保険に加入していること
・被災から3年以内に申請を行うこと
・補修費用が火災保険の免責金額を超えていること
まず、損害の原因が自然災害であることが重要です。台風、強風、大雨、雹、落雷などによる外壁や屋根の損傷がこれに該当します。加入している火災保険がこれらの災害による被害を補償するものであることを確認する必要があります。
次に、火災保険による補償を受けるためには、損害を受けてから3年以内に申請を行う必要があります。「5年前の台風が原因で外壁塗装が必要になった」といったケースでは適用ができないので注意しましょう。損害が発生したら速やかに申請手続きを開始することが重要です。
また、保険金を受け取るためには、外壁塗装の工事費が免責金額を超えていることが条件です。例えば、工事費が50万円で免責金額が20万円の場合、『工事費50万円-免責金額20万円=保険金30万円』というように、補修費用が免責金額を超えた分について保険金が支払われます。
火災保険の適用範囲は契約内容によって異なりますが、一般的には外壁や屋根の損傷に対する修理費用が含まれます。外壁のひび割れや塗装の剥がれなど、外壁の機能や美観を維持するための修繕費用が対象です。また、外壁の損傷が建物全体に影響を与える場合、その他の部分の修理費用も補償されることがあります。例えば、外壁のひび割れから雨水が浸入し、内部構造にダメージを与えた場合、その修理費用もカバーされる可能性があります。
●外壁塗装で火災保険が適用できないケース
外壁塗装の経年劣化は災害ではないため火災保険が適用されません。また自然災害が発生したとしても、経年劣化と認定される場合もあります。なお、作業に必要な足場設置費用は、対象にならないこともあるので、確認しておきましょう。
(火災保険適用外の例)
・色あせ
・カビや黒ずみ
・サイディングボードの割れや浮き
火災保険の申請手続きについて順を追ってご紹介します。
1.火災保険の種類を確認
まず、自分が加入している火災保険の補償内容を確認します。特に、自然災害による外壁や屋根の損傷が補償対象となっているかをチェックします。補償内容や免責金額についての詳細を把握しておくことが重要です。
2.外壁塗装業者へ連絡
次に、外壁塗装業者に連絡し、損害の確認と見積もりの依頼を行います。業者に現地調査を依頼し、損傷の程度を正確に評価してもらいましょう。この見積もりは、後で保険会社に提出するための重要な資料となります。
3.保険会社へ連絡
業者から見積もりを取得したら、速やかに保険会社に連絡します。保険会社に損害の状況を伝え、必要な書類や手続きについて確認します。連絡の際には、契約者番号や被害の概要を詳細に説明することが求められます。
4.書類の作成
保険会社から指示された必要書類を準備します。通常、損害状況の写真や動画、見積書、修理計画書、被害の発生日や状況を示す書類などが必要です。これらの書類を正確に作成し、保険会社に提出します。
5.保険会社による調査
保険会社の調査員が現地調査を行う場合があります。調査員が損害の程度と原因を確認するために訪問するので、その際には立ち会い、損害の詳細を説明します。調査がスムーズに進むように、事前に状況を整理しておくと良いでしょう。
6.支払い
調査結果に基づいて保険会社が損害額を評価し、保険金の支払いが決定します。保険金が支払われたら、見積もりに基づいて外壁塗装などの修理を実施します。修理が完了したら、保険会社に報告し、必要な場合は完了報告書を提出します。
●ポイント
・迅速な対応と詳細な記録が重要です
・信頼できる外装塗装業者を選び、適正な見積もりを取得すること
・必要書類を正確に揃え、保険会社との連携を密にすること
外壁塗装に火災保険を活用する方法やポイントについて詳しく知りたい方は、ぜひ唐澤防水へお問い合わせください。専門スタッフが、被害の確認から保険適用の手続き、修理の実施まで一貫してサポートいたします。迅速かつ確実な対応で、お客様の負担を軽減し、最適な解決策を提供いたします。お気軽にご相談ください。